踊麺 -オド・メン-
- CINEMA4D
- Dance
- MotionCapture
- 第1回テーマ作品
2017.11.10
■ツイストを踊る4種類のラーメンたち
食欲の秋というテーマということで、モーションキャプチャーによる自然で滑らかな動きを活かせる食材として麺に辿り着きました。 麺の揺れや広がりがモーションキャプチャーによる動きの面白さやダイナミックさをより引き立たせてくれるのではと考え、ロックバンドTHE NUGGETSのメンバー4人による激しいツイストをキャプチャーし、映像作品に仕上げました。
■モーションキャプチャー撮影
普段モーションキャプチャーデータを扱うことは少ないのですが、デスクの上に機材の使い方などが書かれたファイルが置かれているため、初めてでも無事に使用できました。 モーションキャプチャーを撮影する際には、体のどの部分の動きをキャプチャーするかによって専用のスーツに取り付けるマーカーの位置が異なるのですが、マーカーの位置や個数が少しでも違うと、モーションキャプチャーの撮影ができないため、ここは慎重に取り付けます。 元々スーツに付いていたマーカーをずらして調整していましたがなかなか上手くいかず、思い切ってすべてのマーカーを外して付け直しところ無事撮影可能になりました。 上手くいかない場合は一度すべてのマーカーを外して付け直した方がいいようです。
■motioncapture x リーゼント
THE NUGGETS という素敵なバンドの皆さんに協力していただいて、彼らのヒット曲である「もう一度、ツイストを」に合わせてツイストを踊ってもらい、バンドメンバー4人それぞれのダンスをキャプチャーしました。体格の良い皆さんですがスーツも無事に着ることができました。リーゼントをバッチリ決めているのでマーカーをつけるヘアキャップを被ることが難しく、なんとかリーゼントにマーカーを挟み込みます。早速モーションキャプチャーを始めてみると、激しいツイストもしっかり記録されていま す。さすがにリーゼントからマーカーが落下することはありましたが、無事撮影終了です。
■motioncapture x 麺
Cinema4Dに撮影したBVHデータをインポートしてみると、非常に滑らかな動きでダンスが再現されており感動しました。また、キャプチャーデータの精度が高いため、メンバーそれぞれの動きの特徴がモーションデータにも反映されており、外見だけでなく動きに自然と個性がつけられる点はモーションキャプチャーならではの体験です。早速モデルと関連付けてみると…世界初(?)の動くラーメンの誕生です。
メンバーそれぞれの特徴に合わせて醤油、豚骨、激辛、味噌の4種類のバリエーションを出しました。豚骨ラーメンはもちろん細麵、味噌ラーメンは太麺で決まりです。動きがリアルな分、今回のような写実路線の表現では色や質感にも気を遣いました。
■おいしさを求めて
映像では遠目なのであまり目立ちませんが、おいしそうに見えるように細かい部分にもこだわり、スープの表面の油や濁りも再現しました。 また、ラーメンが主役なので基本ピントを合わせていませんが、その他のチャーハンや揚げ物など脇役もおいしそうにすることを心がけました。
■まとめ
今回モーションキャプチャーを使用して感じたことは、やはり動きの癖が出るという面白さだと思います。同じ動きを複数のキャラクターに付けられる点は本来CGのメリットですが、敢えて複数人に同じような動きをしてもらったことで逆に個性が活きるというのは発見でした。また、このような高度な機器を使用した開発のハードルが下がったことで今後の表現の幅が広がるため、ぜひまた利用させていただきたいです。
12/16(土)のATLSHOWCASEの展示について
来たる12/16 土曜に広尾の会場で展示をします。
場所:〒150-0012 東京都渋谷区広尾3丁目12−36
時間:14:00-19:00
簡単な説明や制作秘話、作品についての質疑応答などがありますので是非お越しください。
■モーションデータのダウンロード
今回作品に使用した、THE NUGGETSのメンバー4人本人達によるモーションキャプチャーのデータを公開しておきます。
ZIPダウンロード:odomen_fbx.zip(約200MB)
作品に利用したモーションデータに加え、その他にもいくつかのデータを入れておきました。どんなモーションが入っているかは使ってみてのお楽しみということで!
※データを二次利用された場合の成果物の公開につきましては、ひとまずはATL客員研究員登録された方限定ということでお願いいたします。登録無料ですのでぜひ。